1 神と人の饗宴
豊作大漁を祈願・感謝し、神へ山海の恵みをささげるとともに、神と住民がひとつになるために、共同飲食をするのが祭りの基本です。 無形文化遺産の「あえのこと」はその基本を率直に表した行事といえます。 能登半島の各集落では、現在も、当屋という世話役が、神饌や直会料理の準備、また祭り当日の供応などにあたっています。 この大役の交替の際は、丁重な作法をもって引き継ぎが執り行われます。
能登一宮の気多大社、加賀一宮の白山比咩神社の神饌をはじめ、能登地方の山海の恵みを盛り込んだ古風な神饌、生贄伝説と結びついた神饌など、祭りと神饌文化について紐解きます。