伝・大野弁吉作の獅子頭を期間限定公開 -白王獅子および五宝町獅子舞道具の展示について-
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展示資料
獅子頭(白王獅子) 安政4年(1857) 伝大野弁吉作 本館蔵 五宝町獅子舞道具 19世紀~20世紀初め 本館蔵 解説
西末寺(浄土真宗本願寺派別院)の門前町として発展した五宝町町会(現・瓢箪町)に伝来した獅子頭と獅子舞道具を展示公開する。白羅紗地で覆った、「白王獅子」または「白頭」と呼ばれる獅子頭は、安政4年(1857)大野弁吉の作とされ、箱の蓋裏に墨書銘をもつ珍しいものである。あわせて、胴体のカヤや尾、棒振りの武具、太鼓、衣裳といった道具類、関連書類が揃っており、リニューアル後初めてその一部を公開する。
見どころ
白王獅子の古い外箱の蓋裏には「安政四歳丁巳五月新調 獅子頭 細工人大野弁吉作」の墨書銘がある。金沢の旧市内域には、からくり師として知られた大野弁吉作の伝承をもつ獅子頭がいくつかあるが、墨書銘をもつ資料は少ない。地元では、獅子頭制作を弁吉に依頼したのは、大野に移る前に弁吉が五宝町に暮らしていた縁があったからと伝える。
また「旧西御坊町/五寳町中共有舞獅子用品」という目録によれば、衣裳の「白縮緬装束」は明治26年9月に、「黒朱子腹掛」は明治31年に新調、「筒袖」は慶応3年9月の「向山天満宮神渡シノ時新調」とあり、幕末以降の大祭の際に新調していたことが読み取れ、高価な獅子舞道具を何代にもわたって少しずつ揃えたことがうかがわれる。現在伝わる白縮緬地袢纏と黒繻子地腹掛が当初のものと考えられ、制作年代が明確に分かる獅子舞の衣裳として非常に貴重である。
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- Exhibition Dates
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2020/11/16(Mon)~2021/03/21(Sun)
- Museum Hours
- 9:00~17:00(展示室への入室は16:30まで)
- Museum Closures
- Venue
- 常設展第2展示室「加賀・能登のまつり」