雨竹雪竹図(うちくせっちくず)
2幅対。絹本墨画。
11代将軍徳川家斉の21女で、加賀藩13代藩主前田斉泰のもとに嫁いだ溶姫(1813~1868)の描いた「雨に竹図」「雪に竹図」の2幅対の掛軸である。水墨の技法は巧みで、殊に雪に竹図では竹に積もる雪の背景を墨により隈を施し雪を浮き上がらせるなど、凛とした冬の雰囲気をよく表している。
溶姫は別名偕子、院号は景徳院。1827(文政10)年11月27日前田斉泰と結婚。このとき江戸の加賀藩本郷邸に建てられた溶姫御殿の正門が現在の東京大学赤門である。1868(文久3)年金沢に来たが1864(元治元)年江戸に行き、1863(慶応4)年3月倒幕の気運が高まり溶姫は金沢に移った。その2ヶ月後、5月1日56歳で没した。
クリックすると写真を拡大することができます。
- 時 代
- 江戸時代 19世紀
- 寸 法
- 各縦100.3cm
各横41.5cm
- 作 者
- 溶姫