金石涛々園関係資料(かないわとうとうえんかんけいしりょう)
1925(大正14)年、金沢の郊外に開設された「金石涛々園」は金石鉄道の経営になる娯楽施設で、金石海岸の松林中に演芸場、水族館などを中心に建設された。同鉄道は金石馬車鉄道の後身で、1914(大正3)年金石~長田間で電化営業を開始、のち長田から中橋、金石から大野港まで、さらに涛々園の開設に伴い「涛々園線」0.4㎞を延長した。当時、盛んに開設された郊外電車軌道の1つで、涛々園も浅野川電気鉄道が開設した「粟崎遊園」に対抗したものである。
資料には『涛々園ニュース』第1号(1934年、昭和9年1月1日発行)、各狂言出し物の「興行案内チラシ」「入園案内葉書」「招待券」「徒弟慰安会会券」「献立と余興一覧」「領収書」などがある。金沢の新興劇団「グリム小劇場」の金石涛々園公演のプログラムも含まれており、興行の範囲がうかがえて興味深い。
- 時 代
- 1934(昭和9)年