辰巳用水長巻図(たつみようすいちょうかんず)
1巻。紙本著色。
藩政期における辰巳用水の具体的な水路を描いた長巻の絵巻である。巻首の端書に「天保五年七月辰巳御絵図引直本物」とあり、1834(天保5)年に描かれたことがわかるが、次いで「天保七年丙申七月」の後筆、さらに巻尾近くの書込みにより、少なくても1858(安政5)年まで用いられていたことが推察される。
「辰巳用水絵図」は他に数巻知られるが、中でも本巻は長尺でかつ写実性に優れている点に特色がある。なお、「川口木呂留」より「竹沢御屋鋪」までの水路中、上流部で、他の文化6年絵巻に開渠とあったところの大部分が隧道として描かれていることから、文化年間(1804~1818)より1834(天保5)年迄に大修理がなされたことも分かり、用水建設の変遷資料としても貴重である。
- 時 代
- 江戸時代 1834(天保5)年7月
- 寸 法
- 長983cm
幅55.3cm - 文化財
- 石川県指定文化財