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金沢八景図屏風(かなざわはっけいずびょうぶ)

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 6曲1双。紙本淡彩。
 右隻と左隻にそれぞれ四つの風景が描かれる。右隻は金沢の狂歌師西南宮鶏馬の撰をもとにすると、向かって右上から「鞍嶽時雨」「犀川夏月」「戸室日出」「笠舞残雪」の四場面と考えられる。しかし、犀川大橋は日中の様子で、戸室山は「日出」ではなく月の出た夜の風景であり若干の相違がみられる。
 左隻は向かって右上が「長谷山暁鐘」と思われ、その下に西南宮の八景にはない浅野川大橋と河畔の様子が描かれる。左半分には「粟崎帰雁」と「宮腰出帆」の二つの風景が融合し表現される。ただ、西南宮の撰にある「一本松夕嵐」は見当たらない。
 従って、中浜鶴汀(1793~1870)が西南宮とは別バージョンの「金沢八景」として表現したものであろう。 

時 代
江戸時代 19世紀
寸 法
各縦176.0cm
各横346.0cm
作 者
中浜鶴汀
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