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芳春院かな書状(ほうしゅんいんかなしょじょう)

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 加賀藩祖前田利家の正室まつ(法号芳春院)の書状。宛所の「いつも」は加賀藩の重臣(のち八家となる)村井家の二代出雲長次のこと。利長の腫瘍が再発したことの心配や娘のちよ(長次の室)への思いを綴り、最後にこの文を安養坊(利家が越前より招いた波着寺空照)へ届けて欲しいと結んでいる。
 長次は長頼の後を継いで前田家に仕え、1609(慶長14)年に利長が富山から高岡に移った時、利長に近侍することとなった。また、利長は1610(慶長15)年に腫を煩い、翌年にも再発している。こうした点から、この書状の年代は1611(慶長16)年ころと見ることができる。

時 代
江戸時代 17世紀
寸 法
本紙:縦35cm
   横51cm
作 者
芳春院
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