珠洲 四耳壺(すず しじこ)
上胴に4つの鰭耳(ひれみみ)をつけた四耳壺である。底部は鉢造りの成形で、球形の胴部は粘土紐を輪積みして成形され、光沢が出るほど丁寧に磨き上げられている。口径は小さくすぼまり、短い口頸の端部は鍔状に突出する。上胴の肩には両端が跳ね上がる独特な耳が4方向につけられている。黒灰色に硬く焼き締められ、火表(ひおもて)には黄灰色の自然釉が顕著にかかっている。
小さな口頸がつく球体形の器形は中国の黄褐釉四耳壺(ルソン壺)とよく似ており、その模作とみられる。同じ形の四耳壺は集落遺跡から出土せず、蔵骨専用器として製作されたと考えられている。精良品が多く、室町時代の珠洲焼を代表する特徴的な器種である。
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- 時 代
- 室町時代 15世紀
- 寸 法
- 高36.8cm
口径13.8cm
胴径32.5cm
底径13.8cm - 出土地
- 出土地不詳