珠洲 鳥樹文壺(すず ちょうじゅもんこ)
胴部に櫛歯状工具と刻線で鳥樹文を描出した壺である。胴部はやや肩の張る球胴で、直立する口頸は大きくゆがんで焼成されている。胴部の全体を櫛目弧文で埋めつくし、正面の空間に櫛目弧文と同じ工具で曲折した樹幹と枝葉を描く。樹の左下には刻線で草花と鳥を描き、左上にも小さな草花と飛翔する鳥を配している。胴下部は2条の平行櫛目文で区画し、その間に連続鋸歯文を入れて装飾帯としている。
櫛目弧文を器面全体に施す壺は珍しく、櫛目文を多用する珠洲焼の加飾法の独自性を示す作例である。
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- 時 代
- 室町時代 15世紀
- 寸 法
- 高28.3cm
口径9.5cm
胴径25.0cm
底径9.5cm - 出土地
- 富山県氷見市阿尾城(あおじょう)西麓
- 文化財
- 石川県指定文化財