磨製石斧(ませいせきふ)
石を磨いて作られた石斧で、木製の柄に取り付けて使用された。右は横断面が長方形の扁平片刃石斧で、七尾市南藤橋七高(ななこう)遺跡から出土した。左は全体が四角柱状の柱状片刃石斧で、金沢市上荒屋住宅遺跡から出土した。石斧を柄に固定するために石斧の側面には突起が削り出され、後者にはえぐりも入れられている。刃は突起やえぐりのある面とは反対側に刃面を研ぎ出した片刃である。
いずれも石斧の刃に対して直交する方向に柄をつける横斧で、木材をはつったり削ったりするのに用いられた。これらは水稲農耕とともに朝鮮半島から伝えられた大陸系の磨製石斧で、農耕具・工具・容器など多彩な木工品を生み出した加工斧である。
- 時 代
- 弥生時代 B.C.4~1世紀
- 寸 法
- 扁平片刃石斧:
長10.9cm
幅5.4cm
厚2.7cm
柱状片刃石斧:
長16.7cm
幅3.5cm
厚3.9㎝ - 出土地
- 七尾市南藤橋七高遺跡
金沢市上荒屋住宅遺跡