鈴杏葉(すずぎょうよう)
杏葉は馬具の一種で、鞍を固定する胸繋(むながい)、尻繋(しりがい)の革帯などに下げた装飾である。鉄地金銅張の剣菱形杏葉を模倣した鋳銅品で、三角形の本体に3つの鈴がつき、鈴の中には小石が入れられている。本体の上半部には円文が鋳出され、円文内部と下半部に珠文が配されている。杏葉を吊り下げる立聞(たちぎき)の孔には鉄製鉤(かぎ)の一部が残存している。
国指定史跡の能美古墳群にある西山9号墳に納められていた副葬品である。この古墳からは笵が異なる鈴杏葉の破片がもう1点出土している。古墳時代中期に大陸から伝わった騎馬文化が北陸地方にも波及してきたことを示す資料である。
- 時 代
- 古墳時代 6世紀
- 寸 法
- 長12.6cm
幅13.5cm
厚4.5cm - 出土地
- 能美市西山9号墳