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加州金平鉱山図絵巻(かしゅうかなひらこうざんずえまき)

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 1巻。紙本著色。
 能美郡金平村(現小松市)の鉱山の最盛期の様子を描いた絵巻である。金平の鉱山は1770~1771(明和7~8)年頃、藩十村役石黒源次によって開坑し、1788(天明8)年2月に藩の「御手山」となった。
 絵巻の初めには槍を持った従者を伴う藩の役人とおぼしき人物が描かれ、惣門番所前の呉服屋・両替商・芝居小屋が、ひきつづき鍛冶小屋・吹座・砕小屋・山師小屋等の鉱山施設および横目・十歩一役・頭取・大工頭・掘師等の役廻りが詳細に描かれ、当時の鉱山の様子をうかがわせる貴重な資料である。末尾には能州矢田村金山図が付け加えられ、藩老前田土佐守直躬が藩の鉱山支配に必要な資料として家臣の矢田四如軒廣貫に描かせたものである。
 同種のものがかつて前田直行家にあったが現在は不明で、小松市指定文化財である十村石黒家文書にも1点含まれている。

時 代
江戸時代 1788(天明8)年
寸 法
縦22.5cm
横820.0cm
作 者
矢田四如軒
文化財
石川県指定文化財
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