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珠洲 叩大甕(すず たたきおおがめ)

 広口の大甕で容量は約100リットルである。胴部は粘土紐を輪積みして成形され、叩き締めて整形されている。肩の張り出しは弱く、ほぼ直線的に下胴へ移行する器形になっている。口縁部は短いが太く重厚な作りである。肩に左文字の「大」の刻字文が入れられており、吉祥句とみられる。
 珠洲焼の大甕は時期が新しくなると口径が広がって寸胴化し、容量も小さくなる。この大甕はそうした形態変化の最後の段階に位置づけられ、口縁がゆがむなど作工の粗雑化も目立つ。

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時 代
室町時代 15世紀
寸 法
高58.5cm
口径55.6cm
胴径60.3cm
底径13.0cm
出土地
珠洲市上戸(うえど)町北方(きたかた)
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