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珠洲 綾杉文叩壺(すず あやすぎもんたたきつぼ)

 胴部の叩き目が綾杉状になるように叩打された壺である。肩の張る倒卵形の胴部は粘土紐を輪積みして成形され、口頸部は直立して口縁部が強く外反する。灰色に堅く焼き締められ、一部に薄く黄灰色の自然釉がかかる。
 胴部の叩きが縦列で向きをかえて施された結果、器面は多面体状を呈し、叩き目の条線が緻密な綾杉文になっている。口縁の端面にも櫛目波状文が施され装飾に富む壺である。珠洲焼の綾杉文叩打技法は特に前半期に精緻で、この壺は綾杉文叩打の盛期の作例である。

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時 代
鎌倉時代 13世紀
寸 法
高39.0cm
口径22.2cm
胴径32.5cm
底径9.2cm
出土地
出土地不詳
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