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珠洲 刻字文研磨壺(すず こくじもんけんまつぼ)

 胴部に「十大」の文字が入れられた壺である。胴部は肩が張らない長胴(ちょうどう)で、粘土紐を輪積みして成形された後、叩打して整形された。胴部の叩き目は消され、光沢が出るほど磨き上げられている。上胴には焼成前に「十大」の刻字文が入れられ、頸部には退化した円形の木瓜文(もっこうもん)1個が刻印されている。
 珠洲焼では器面に「大」「上」「十」「九」などの文字や花押のほか、「T」「H」字形などの記号文なども刻まれた。「大」には左文字がみられるなど、刻字は吉祥句として入れられたとみられる。

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時 代
室町時代 14世紀
寸 法
高41.6cm
口径15.0cm
胴径31.6cm
底径10.9cm
出土地
出土地不詳
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