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富士に鶴松原文様打掛(ふじにつるまつばらもんよううちかけ)

 羽咋郡富永村三つ屋の旧家の長女(1885年生)が、明治時代後期に羽咋郡下甘田村上棚の旧家に嫁入りした時に着用した打掛。婚家での仏壇参りをすませた後に着用したと推定される。もう1領、赤縮緬地に刺繍の打掛が伝わっており、実家から駕籠で婚家に向かい仏壇参りを済ませるまで着用したものと考えられる。
 いずれも購入先は橋場町の友田呉服店と推定され、同じ刺繍技法が認められる。薄縹色の羽二重地に、空に舞う鶴と富士山、海原と三保の松原を金糸、銀糸、色糸による刺繍で表す。紋は松竹梅の輪の中に三つ割の桐紋が入り加賀紋風になっている。
 
 

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時 代
明治時代後期
寸 法
丈163.0cm
裄63.0cm
採取地
金沢市
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